第9回:贅沢なひと口、カシスマカロンの巻
ショッピングサイトのお取り寄せグルメとして、高い人気を誇るアトリエ スイーツアミューズの「手作りマカロン」。
武蔵砂川にあるお店に伺うと、パティシエの郡さんがまさにそのマカロンを作っている真っ最中でした。
マカロンの作り方と言えば、通常はアーモンドパウダー、粉糖、卵白、グラニュー糖で生地部分を作り、果実のフレーバーで色と味を付けますが、郡さんの手作りマカロンはひと味違う。
「既製品のピューレではなく、生の果実で作った本当の手作りマカロンを皆さんに食べてほしいと思い、新鮮なフルーツをそのまま練り込んで焼けないかなぁと考えたんです」(郡さん)
果実をじっくり煮込んでピューレにし、生地に混ぜるも、柔らかすぎたりひび割れてしまったり……。何日もかけて配合やオーブンの火加減を研究、試行錯誤の末に出来上がったのが果実の味がしっかり楽しめるこの「フルーツマカロン」なのです。
お話を聞いているうちに、オーブンからは砂糖を焦がした甘〜いカラメルの香りが……。フルーツマカロンのカシス味の生地が焼き上がったようです。天板にお行儀良く並んだ紫色の丸たちが何とも愛らしい。
焼きたてを一つ頂いてみるとふわっふわのサクサク! カシスの香りもふんわり漂います。
このボディと呼ばれる皮部分に、生カシスの実を煮詰めて作った甘酸っぱいピューレ入りクリームを絞って挟んでいきます。
「マカロンにカシスの実を使う時は、この濃厚さを生かす甘さのバランスが大事ですね。カシスは濃さも酸味も強い。少量でも味が十分引き立ちますから」
カシスの強い酸味を活かす甘さ、砂糖とカシスの絶妙な黄金比率でこの美味しい「フルーツマカロン」が完成したのです。
ちなみにこの「フルーツマカロン」は出来立ても美味しいけど、冷蔵庫で1日寝かせて、食べる前に室温で10分ほど置くのが一番食べ頃だと教えて頂きました。一日置くことで中心に集中していた水分が全体に行き渡るから、より生地がしっとりするんだそうな。
早速自宅で試してみました。
前歯でサクッとほどけるボディ、噛めば噛むほど甘酸っぱい果実の風味が広がる〜。そうそうこの爽やかな酸味はまさにカシス! 間に挟まってる甘さ控えめのまったりクリームも濃厚でなめらか〜! サクッふにゅの至福の一口。……ああ贅沢だなぁ。
薔薇の咲き乱れる昼下がりのテラス、色とりどりの宝石のようなマカロンをつまみながらメイドが煎れた紅茶を飲む。マリーアントワネット気分になるも、ふと我に帰れば、パソコンの前で椅子の上に体育座りし、マカロン片手に湯のみに入った紅茶を啜る半笑いの自分がパソコンモニタに映っているのでした。



締め切りに追われ多忙極まりない毎日。が、美味しいモノへの探求心はウルトラ級。
最近気になっているスイーツ「ギモーヴ」。
聞き慣れない名前だがスイーツ好きの友人曰く、ギモーヴはいまやマカロンに続いて大人気のお菓子なのだそう。
「で、そのギモーヴってのはなんなの?」と聞くと
「“ぷにっぷに”っで、“ふわっ”なの!」と友人。
「……で、マシュマロとはどこが違うの?」
「とにかく食べれば分かる!」
どうやら言葉では説明しづらいスイーツらしいので、友人に一番ご贔屓にしているギモーヴのお店「niko」を紹介してもらった。
「nikoでは卵白を使わない新感覚の生マシュマロをギモーヴと呼んでいます。フルーツのピューレをたっぷり入れてますので、マシュマロよりもしっとりぷにゅぷにゅで口溶けも良いんですよ」(パティシエ名倉さん)
目の前に並ぶのはカラフルな可愛いしずく型の生マシュマロたち! 一番お薦めの「カシス」を手にとると、芳醇な果実の香りが鼻をくすぐる、指でつまめばぷにっぷに。口の中であっという間にふわっととろけて……ナルホド、これが友人の言う“ぷにっぷに”っで、“ふわっ”か! たしかに市販の歯にくっつく感じのマシュマロとは雲泥の差! 口溶けはとても滑らかでフルーツピューレの甘酸っぱさは後味もスッキリ、すぐにもう1つ手に取りたくなる。
フランス産の果実ピューレをグラニュー糖といっしょに高温で煮詰めてそこにゼラチンを加え、熱いうちにたくさん空気が入るように混ぜる。ここが「ぷにゅふわ」の食感を作るためのポイントで、空気を入りすぎれば張りが出すぎてしまうし、なさすぎるとグミのように固くなってしまう。シンプルなレシピであるからこそ、独特の食感を出すには長年の勘と技術が必要なのだ。
「発色の良い紫はカシス本来の色、甘さと酸味のバランスがピカイチだったのもカシス、人気ナンバーワンは可愛いピンク色の『いちご味』ですが食べてみるとカシスが一番というお客様が多いんですよ(名倉さん)」
個人的にはトロピカルなパッションフルーツも好きだけど、確かにこの精鋭ぞろいのギモーヴの中でカシスは一番色鮮やかで濃厚で美味しかったものなぁ〜。
新食感の生マシュマロのギモーヴの魅惑の「ぷにゅふわ感」、皆さんもぜひお試しを!
●カシスのギモーヴ/210円(税込)
駒沢通りをまっすぐ走る。 自転車で走るには今の季節がちょうどいいい。坂道を下ると初夏の風が気持ちよくて、いつもなら重いペダルも今日は軽く感じる。風をきってぐんぐん走っていると右手にオレンジ色の庇もまぶしい立派なケーキ屋さんが現れる。 ここが今日の探訪先「キャトル 柿の木坂店」だ。
店の奥まで続く長いショーウィンドウには宝石のようなケーキや焼きたてのパン、焼き菓子がズラリと並んでいて目移りしてしまうが、今回のお目当てはその名もズバリ「カシス」である。カシスと名付けられたそのケーキは、キャトル定番の人気メニュー、果実本来の甘酸っぱさを生かしたカシスムースの中には甘くてコクのあるバニラムースが隠れている。さらに目にも美しく食欲を誘う美しい紫のカシスムースの色は発色に優れたカシスならでは。色とりどりのショーウィンドウのケーキの中でも一際目を引く。
上にかかっている濃厚なカシスピューレを使用したツヤッツヤのナパージュからカシスムース、バニラムースまでをさくりとフォークですくい口へと運ぶ……。 「このケーキを作る上でこだわったのは酸味と甘みのバランスなんですよ」 穏やかな笑顔で語るシェフの中山さんの言葉にケーキを味わいながら「なるほど!」と大きく頷いてしまった。
「カシスの酸味を生かすためにカシスムース部分は乳の香りが強すぎない生クリームを使って、逆にバニラムースは乳脂肪分を高くコクが出るように作りました。ムースに混ぜるメレンゲの甘さも全体のバランスを考えて調整しています。(中山さん)」 はい……確かに、バニラムースのまったりとした甘さが絶妙に舌の上でとろけます! かといって甘過ぎないさっぱりとした後味と芳醇な香りに「もうひとくち」と手がのびてしまう……。この味にファンが多いのも納得。(1ホールでの販売もあるそう。こちらは大きい分、食感がモッタリしてしまうのでその分配合を変えて作るこだわりよう!) これから暑くなる季節にもお薦めの、爽やかな甘酸っぱさが「嬉し美味し」な一品です。 私もサイクリングコースの途中のお楽しみゾーンとしてまたお邪魔しま~す! さて、次は「うふプリン」食べようかな~。
●カシス/399円(税込)
高校生の頃、同じクラスに花恵ちゃんという女の子がいた。
その名のとおり花のように可憐で女の子らしくて「名は体を表す」とはこのことだなぁと感心したのを覚えている。そんな彼女は家庭科部に所属していて、放課後になると作ったお菓子を男子に振る舞っていた。私も家庭科部が料理を作る水曜日には腹ペコの汗まみれの男子に混じってマドレーヌやクッキーなどよくご馳走になったもんだ。
そんな行動もあり、さらに賢く見目麗しかった彼女はもちろん男子にモテた。そして女子には八方美人のブリッコと嫌われていた。
事件が起きたのは2月、バレンタイン当日のこと。
花恵ちゃんが本命の人に渡すため気合いを入れて家で作ってきたチェリータルトの箱がグシャグシャにされて教室の片隅に放られていた。敵の多い彼女のこと、きっと妬んだ女子の誰かの仕業に違いなかった。
「こりゃあどうしたもんか」と慌てふためく私と友人をよそに、涙ひとつこぼさず、ひしゃげた箱をそっと拾う花恵ちゃんの寂しそうな横顔は今でも忘れられない。
「見た目は崩れたけど中身は平気みたいだからここにいる3人で食べちゃわない?」
そういって笑う彼女はすごく大人っぽくて綺麗に見えた。 その後学校近くの公園のベンチに座り、コンビニで貰った割り箸で3人でつついたチェリータルトは甘くて、ちょっぴりお酒の味がして、ほろ苦いけど美味しかった。
「これが花恵ちゃんの恋の味だろうか!」
なんて当時の私は思ったかもしれない。
タルトの専門店エスキィスの「チェリーとカシスのタルト」は、こっくりとした濃厚なビターチョコと香ばしいアーモンドのタルト生地の上に大粒のチェリーがのった贅沢な一品だ。サクサクでどっしりとしたタルト生地と甘酸っぱいチェリーの間には自家製の芳醇なカシスジャムが挟まれていてこの酸味がまたチェリーの甘みとチョコ生地の味わいを深くしてくれる。
そしてこのタルトからほのかにするラム酒の香りに、10数年経った今でもあの花恵ちゃんの横顔を思い出してしまうのだ。
青森の友人イトウが先日上京してきて2日ほど我が家に泊まった。 朝5時起きでやってきた彼女だが青森~東京間の移動疲れなどなんのその、昼には「銀座で銀ブラしてみたいから案内せよ」との指令を私に出した。 銀座をしばらくうろついて店をまわるたびに、イトウの両手は紙袋でいっぱいに。戦利品の極楽鳥みたいマフラーを「やっぱ銀座は違うよ~」と満足げな表情で見せてくれるので「青森でも売ってるんじゃない?」などとは間違っても言えず「そうだねえ」と返しておいた。 歩き疲れて「茶でもするか」と通り沿いの小洒落たカフェに入り、ケーキセットを注文する。私はベイクドチーズケーキ、イトウはレアチーズケーキ。2人とも乳製品に目がない。これまた繊細な細工の小洒落たお皿に品良くのったケーキ。「こんなの2口で食べ終わっちゃうねえ」なんて談笑しながら食べ始め、食べ終わって店を出る頃には今までニッコニコだったイトウの表情が何故か曇っていた。 「銀座のケーキなのに……これで1200円も取るなんて!」 そう、原因は高価な割にはイトウの口に合わなかったケーキであった。
「私お気に入りの青森のめっちゃ美味しいレアチーズケーキ、この前泊めてもらったお礼に送るね(^ω^)」 後日、イトウのメールとともに届いたのが、御菓子のみやきんの「オ・ラ・カシス(カシスのレアチーズケーキ)」だった。青森は林檎だけじゃなくカシスも有名らしい。青森の気候がカシス栽培に適しているのもあって、今では国内生産量の約9割が青森県産のカシスなのだそうだ。知らなかった!
箱を開けると真っ白なレアチーズの上に、これまた乳白色の刻みホワイトチョコがのった、まあるいケーキが顔を出した。フォークで大きめに切って、口にほうりこむ。ケーキの間にサンドされた爽やかな酸味のカシスピューレが、甘いホワイトチョコとしっとりとしたクリームチーズの風味に相まって、淡雪のようにふわりと口の中で溶けていく……。甘すぎずあとを引く絶妙のバランスで、一人で半分ぺろりとたいらげてしまった。
「こんなに美味しいレアチーズケーキなら毎日食べても飽きません。有り難う!」とイトウにお礼のメールを送ったらこんな返信が。 「美味しいものに場所は関係ないものだわねえ」イトウの銀座崇拝は終わったようだ。
幼い頃、お菓子作りの上手なお母さんを持つ友だちがとても羨ましかった。その子の家に遊びに行くと、エプロンをした優しいお母さんがおやつにアップルパイやプリンを作ってくれる。庭で遊んでいるとカラメルを煮る甘い香りが鼻をくすぐってそれだけで幸せな気分になれた。ジャムの空き瓶に素朴に入れられた「できたてのプリン」はコンビニで売っているものとは違いトロトロで柔らかで卵とミルクの香りがした。
私の母はまったく料理をしない人で炊事はすべて祖母が担当していた。祖母の「手作りお菓子」は大抵「ふかし芋」か「カボチャの煮物」で、ちょっと頑張って「砂糖醤油で煮た白玉団子」だった。庭で遊んでいると醤油の香りが鼻をくすぐってそれだけで複雑な気分になれたものだ。確かに芋もだんごも美味しい、美味しいがやっぱり友だちのお母さんの作る「できたてプリン」や「焼きたてのアップルパイ」の魅力は強烈だった。
先日、金魚玉珈琲というお店の「瓶詰めプリンカシス&オレンジ」というものをお取り寄せした。私は仕事で煮詰まるとネットで食べ物やスイーツの写真を見て「仕事をすればコレを食べるためのお金が稼げるのだ! 頑張れ! 働けニコルソンよ!!」と馬の鼻先に人参をぶら下げるような煽り方をする。そんな中、金魚玉珈琲のホームページを見ていてハッとした。そこにはあの憧れの「友だちのお母さんが作ったプリン」があった。もちろんそのお母さんが作ってるわけじゃないし、見た目もこちらの方が上品だけど、そうそうこうやって瓶に入ってて……!
早速家に届いた「瓶詰めプリン」のフタを開ける。パコっと音がして同時にオレンジとカシスの爽やかな香りがした。添付されている鮮やかな紫色のカシスソースをかけてからスプーンですくって口に放り込む。甘酸っぱいオレンジソースとまったり甘くて濃厚なカシスプリンが調和してこれはウマい!友だちの家で食べたあの時の手作り独特のミルクの香りがして、滑らかに舌の上でとろけていく……瓶にたっぷり入っていて結構ボリュームがあったのに大きなスプーンで一気に食べきってしまった。う~ん……この感動を誰かと共有したいのだがそこは一人暮らしの悲しい所、すっかりキレイに空っぽとなった瓶を見ながら2つ目のプリンに手をかけるニコルソンであった。
そんな時、ふとネットで見つけた広島の老舗和菓子屋天光堂のホームページ。いちご大福、わらび餅、水ようかんにどら焼き……魅力的な和菓子の写真が並んでいますが、なかでも一番気になったのがコレ。そこにはこんな見出しが。「半解凍でシャリッ! プルッ! ~水まんじゅう~(カシス)」
クール冷凍便で届いた包みを開けると、「冷蔵庫で15~30分解凍してください」と注意書きが。むむぅ、じらしますな。
―30分後、解凍された水まんじゅうを麦茶といっしょに早速いただきま~す! 半透明でしっとりした葛粉で包まれた皮に、付属の楊枝を差し入れると解凍された水まんじゅうはするりと下まで楊枝が入ります。
なかからは良い感じに解けかけたカシスムース。口に入れると、ぷるんとした甘くてひえひえの葛となめらかで酸味のあるカシスムースが、トュルンと舌をすべります。さっぱりとした甘さで後味もスッキリ。熱のこもった身体がひんやりと涼しくなって……あっという間に6個完食でした。
JR中央線に乗り、国立駅から徒歩約4分。緑と白を基調とした可愛らしいお店、木製の看板には「MILK TOP」と書かれています。
6月で蒸し暑い今日……今まさにニコルソンの体全体がアイスクリームを欲しております! ギブミーアイス!! ギブミーシャーベット!!!
「保存料、乳化剤、人工着色料、人工香料、合成甘味料は一切使わず、新鮮で良質な原料を大自然の恵みとしてそのままアイスクリームにする。それが創業から変わらないこだわりです」と社長の荻原さん。 「まず食べてみて下さい」と自慢のカシスシャーベットとマンゴーシャーベットをコーンにのっけてくれました。
トロみのある濃厚なカシスの甘酸っぱさと、香り高い甘みのなめらかなマンゴーシャーベットがたまりません。これは毎日食べても飽きない美味しさ! 不思議なのはアイスクリームって食べたあとに喉がかわくじゃないですか、それがミルクトップのアイスは違うんですよね。甘ったるさが舌に残らず、後味がスッキリしてる。
シンプルなようで今まで食べたことのない奥深い味、この秘密ってなんなんでしょう荻原さんっ! 「徹底的に素材にこだわること、余計なものを一切入れないこと。とにかく大切なお客様に安心して食べていただきたいですから……それだけですね~」
「MILKTOP 国立本店」
今日は多摩モノレール上北台駅から徒歩3分の「お菓子工房 伸」に突撃取材です!
店からはお菓子のあま~い香りが外までふわんと漂ってきます。
そのなかでも高い人気を誇っているケーキが、「カシスモンブラン」(380円・税抜)と「カシスイボワール」(320円・税抜)。
次に味わうは春、夏限定の「カシスイボワール」。こちらはさっぱりとした爽やかな味わいで、ふわふわの厚めのスポンジの上には、しっとりとしたホワイトチョコのクリームと甘酸っぱいカシスピューレのムース。これがまったり舌でとろけます〜! いかん、これは2、3個いってしまいそうだ……。
そして驚くのがお値段の安さ。このご時世に300円台でこんなに美味しい洋菓子店のケーキが買えるなんて!







